関東ブロック大会・少年女子
8/18 代表決定戦 vs神奈川県 0-0(PK 4-3)
「いつも通り」と「想定通り」
<はじめに>
3年目を迎える少年女子種別。初年度は第4位。昨年は全国屈指のメンバーを揃えながらも1点が遠くPK戦で関ブロ敗退。今年度こそ全国優勝を、という目標を掲げ、U15トレセンより持ちあがりの形で石塚智之監督体制となり、関東トレセンリーグやトレーニングを通じて、選手の特徴把握やチームビルディングを行っていきました。県内にはWEクラブが3チームある状況ではありますが、U16女子トレセンとしては高体連所属の選手たちもラージグループには属し、トレーニングやトレセンリーグで出場してもらいました。また、今年度のトピックとしては、早生まれ選手(高校2年生)にも声をかけ、実際に宮島加奈絵選手(川口市立高校2年生)が関東ブロック大会のメンバー入りを果たすことになりました。
<関東ブロック大会に向けて>
トレセンリーグ3節での順位で決定するはずだった関東ブロック大会の組合せが、7月の第3節が暑さのため中止となり、変更を強いられました。また、関東ブロック大会そのものも35分ハーフの予定が30分ハーフになるなど、例年に勝る暑さにより従来にはない異なる様々な対応に追われながら関東ブロック大会までの調整を進めました。
関東ブロック大会に向けた調整、及びシミュレーションとして、大会1週間前の8月10日より「大阪招待女子ユースサッカー大会」に参加させていただきました。この遠征では時間を共有する中で様々なことを確認したり、また韓国U16選抜や佐賀U16女子、大阪U16女子といった強度の高い試合を行うことができたりと、コンディション面での調整も全体で合わせていくことができました。
その後、台風の影響で山梨への移動日に行うはずのトレーニングを飛ばすことになりましたが、選手たちは気負うことなく試合前日のトレーニングを行い、「いつも通り」に試合に向かうことができたことは、試合を進めていくうえで良かったと感じました。
<8月18日、決戦の日>
相手は神奈川県。前日の試合(神奈川県vs栃木県)をスカウティングし、ミーティングでも確認しており、「想定通り」に試合が始まって対応をしていくものの、緊張からなのか、暑さからなのか、あまり良い流れに持ってこられなかった部分がありました。相手のやりたいことはしっかりと防ごうと意識するものの、一瞬の判断の遅れや迷いで形勢を逆転されてしまう可能性を秘めた試合となってしまいました。本来であれば相手を観て主導権を握ることができる選手たちであるが故に、ややもったいないと感じたところです。
攻撃面ではFW⑭髙橋佑奈(浦和レディースユース)が、守備面ではDF②佐藤百音(大宮V U18)が大きな存在感を示しているものの、互いに決定打が出ない展開が続きました。
というのは、およそ15分でクーリングブレイクが3分間入り、その後15分プレーする、というレギュレーションの難しさと、もどかしさ。そして少年女子で認められる自由な交代(リエントリーあり)によって流れがつかみづらく、プレーしている選手たちも少しストレスを感じているようでした。ただ、その中でも相手がいくつも用意していたセットプレーにも冷静に対応し、後半終了間際にはコーナーキックからピタリと合う場面もありましたが、スコアレスのまま60分間の戦いを終えました。
ある意味「想定通り」とも言えるPK戦に関しては、今年度は準備も万端にしてきており、キッカー、キーパーともに冷静にしっかりと準備してきたものを発揮することができていたように感じます。結果は4-3で本大会への出場となりました。
選手たちは、ゲーム中に相手を観て、試合の中で改善して相手を圧倒していくだけの力があったように感じていますので、その修正力という点では「まだまだ」と選手・スタッフともに反省材料はあります。ただそれ以上にタフに粘り強く、まじめに戦い抜いた結果としての本大会出場であったと思います。
本大会まで残り1か月。伸びしろ十分な少年女子チームは、「いつも通り」にすべてを「想定内」になるような準備をして本大会を迎えられるようトレーニングに励んでいきたいと思います。
埼玉県サッカー協会の皆様をはじめ、現地での応援など多くの皆様のお力添えがあってこその本大会出場になりましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。大変ありがとうございました。(堀 達也/U16女子トレセンダイレクター/国スポ少年女子サブダイレクター【川口市立高校女子サッカー部】)