残念、少年女子は4位

少年女子

3位決定戦

埼玉 1-2 鹿児島

[108] 10/6 サッカー 少年女子 - 国体チャンネル (japan-sports.or.jp)

2022YKW10415.pdf (kokutai-soccer.jp)

 

相手鹿児島県選抜は、ゴールキーパー以外は神村学園高等部、中等部というほぼ単独チーム。

 

前半、鹿児島は立ち上がりからボールへボールへとプレッシャーをかけて、徹底的に埼玉の自由を奪いにくる。対する埼玉は、ビルドアップを試みれば2つ目、3つ目のパスを引っ掛けられ、ショートカウンターでピンチを迎えてしまう。その鹿児島のプレッシャーに負けて埼玉としては縦の長いパスを放り込むが跳ね返され、拾われて、またサイドから攻め込まれる。昨日の静岡戦同様、立ち上がりは相手のハードワークばかりが目立ち、後手後手に回ってしまった。

 

17分、鹿児島の右サイドからのアーリークロス、サイドからのチャンスに鹿児島のボランチが前に出ていく。そのゴール前へのスプリントの迫力は素晴らしく、埼玉のディフェンダーは体を寄せられず、フリーで決められる。

 

21分にも同様に右サイドから、今度はゴールエリア付近までえぐられて、さらにコンビネーションで完璧に崩されて連続で失点。

 

埼玉らしさのテンポの良いパスが出ないゲームに、ベンチからは「勇気を持ってしっかり繋ごう」と指示が飛ぶ。しかし、ビルドアップを試みるも、サポートの角度が悪かったり、タイミングが遅かったりでワンタッチが入らず、トラップ、パスのテンポが上がらない。更に今日の埼玉は、雨の芝生にフィットせずに、やっと奪ったボールも単純なドリブルミス、コントロールミス、パスミスが多発。単発のチャンスはあるものの相手に圧倒された前半だった。

 

ハーフタイムの指示は3つ。もっとハードワークしよう(これがないと技術、戦術も始まらない)。②MFCBGKを使っても良いから、やり直してサイドチェンジして、相手の薄い方から攻めよう。相手クロスに対して、逆サイドバックもボランチもしっかり戻って体を張って守ろう。

 

ハーフタイムの指示で意思統一されると、後半のスタートから埼玉もハードワークできるようになり、やっと互角の戦いになる。ようやく、何度となくテンポの良いビルドアップから崩す場面も生まれ始める。

 

しかし、ほぼ単独チームの鹿児島のプレスは、追い込み方も絶妙でサイドチェンジをさせないような角度から小気味よく連続プレスをかけて来るので、思うようにサイドチェンジはさせてもらえない。

 

そんな中、46分に左サイドバック澤野のオーバーラップ、カットインして利き足でない右足で振り抜いたシュートがネットに突き刺さる。これで1-2。追い上げ態勢に入る。

 

しかしながら、鹿児島の前からのプレッシャーは衰えない。勇気を持ってつなぐ埼玉だが、前からボールを中心としたコンパクトフィールドを形成してくる相手のそのフィールドの中で、何度もビルドアップにチャレンジし続ける事の繰り返し。

 

意図的な動きで1つ奥のプレーヤーへのパスコースを創れればそのコンパクトフィールドを破ることができるのだが、残念ながら自らが受ける動きに終始してしまった。

 

組織としてではなく、個の力頼みになってしまったが、後半の強い気持ちは鹿児島に一歩もひけを取らないものだった。一進一退の攻防が続き、後半の後半にはゴールを決めた澤野を1つ前に上げるなど、攻撃的な布陣へと変化させてゴールを奪いに行く埼玉。最後の最後、惜しいミドルシュートがあったものの、最後までゴールネットを揺らすことはできずに試合終了のホイッスルを聞くことになった。

国体出発日前日にU15のリーグ戦が入ってしまい、直前キャンプが取りやめになるなど、選抜チームとしての準備がほぼできないままで現地入りしました。ミーティングとゲームの繰り返しのみで、様々な課題にチャレンジしてきましたが、ピッチ上でプレッシャーを受けたり、体を当てられながら、それでも相手や相手チームとの関係の中で、適切なプレーを選択するのは大人でも簡単なことではありません。

 

 

だからこそ日常の自チームやトレセンでのトレーニングが、この全国トップレベルの相手を想定した強度と質で行われることがいかに重要か確認できたと思います。今回参加してくれたプレーヤーには、この4連戦の中で様々な気付きがあったと思います。今後の成長に期待しましょう。(強化対策部会長・荻野清明)