· 

関東GKキャンプ報告

・関東GKキャンプ概要

日本サッカー協会ではポジション別指導・強化を目的として、1999 年よりゴールキーパーに特化したナショナルゴールキーパーキャンプを開催しています。同時に関東各都県のGK プロジェクトを中心に「関東GK キャンプ」をスタートしました。

 

昨年、一昨年は新型コロナ感染拡大により中止になっていましたが、感染対策や関係者の協力によって3年ぶりに2023128日、29日の2日間に渡り、茨城県・鹿島ハイツにて実施されました。

 

ピッチに出ると選手たちはカテゴリーに分かれて「ゴールを守る」ことから「ゴールを奪う」という系統立てたテーマ設定の中で適切なテクニックの習得を目指しました。

 

オープニングで関東GKトレセンチーフである茨城県GKプロジェクトチーフの高崎護氏より提示された

いつもの自分を出す

進んでコミュニケーションをとる

チャレンジする

という3つのキーワードを胸に、どのセッションも非常に活気のある、そして失敗を恐れずチャレンジし、改善していく姿が多く見られたことは非常に意味のあることだったと思います。

・トレーニング報告

1日目のシュートストップでは、ボールや相手の状況を把握すること。それに応じた適切なポジショニングはどこなのか、どのように移動するのか、いつ・どのように構えるのか(構えるタイミングと姿勢)などに併せて、テクニックの追求(ボールを一回で掴む、弾き所)や、判断(オーバーハンドキャッチとアンダーハンドキャッチどちらを用いるのか)、セカンドプレー(連続性、切り替え)など、土台になる部分の練習が行われました。

 

ポジショニングがニアにずれたり、セカンドボールを作ってしまったりとミスもありましたが、課題を受け止め、前向きに改善を試みて「チャレンジする姿勢」を見せる選手が多く、トレーニングが進むにつれて「ナイスキーパー!」という仲間や指導者からの賞賛が数多く聞こえてくるようになりました。

 

19時からの講義ではJFA関東担当の小山健二氏(元大分、横浜FC)から、このキャンプの目的や参加したプレーヤーたちの未来図について説明がありました。埼玉から参加した内の2名のプレーヤーがすべての場面で挙手し、積極果敢で主体的に参加する姿がとても印象的でした。最後のまとめでは、所属チームでの日常で、今回のキャンプで学んだことや感じたことを継続して、成長し続けることが大切であるという話でした。

2日目はパス&サポートで、コントロールやパスの質の追求はもちろんですが「ゴールを背にしている」というミスが失点に直結するGKにとって、相手や味方、スペースをよく観た上で、より安全確実で危険を冒さないプレーや判断が要求されるトレーニングが行われました。

 

この点においても徐々にGKの3局面であるプレー前、プレーの最中、プレー後にどのようにプレーしていくのか、どう判断していくのかを理解して、質の追求を図る様子が見られました。W-upから簡単な内容ではなかったものの、良い質のパスやしっかり観ておくことができたことによる好判断が随所で光る、有意義なトレーニングになりました。

 

今回受けた刺激を持ち帰り、講義でもあったように「日常から継続し、成長し続ける」ことで、プレーヤーたちが「関東から世界へ」飛躍していくことを期待しています。

 

埼玉県GKプロジェクトチーフ

県立大宮南高校 上原克彬